『ALL SHOOK UP』で坂本昌行さんの"If I Can Dream"(最高でしたね〜)を聞いて、ますます聞きたくなった"Tenterfiled Saddler"。この曲はBW版CDにボーナストラックとして収録されていますが、「アメリカ人にはわかりにくい」とかでプレビューでしか演奏されなかった曲です。日本の観客とアメリカの観客の感性が同じとは思えない、どうしても一度歌ってほしい、と思いつつ、日本版初演のパンフレットを見ていると、もうひとつ気になっていた曲のことを思い出しました。"Waltzin' Matilda"、しかも「中国語バージョン」
。BW版CDには収録されていないこの曲、一体どういう曲なんだろう、という疑問を抱きつつ、根が浅い人間なので今日までケロッと忘れていました。
ですが、今日の「BFOなオーストラリア町めぐり」でTenterfieldに関するサイトをあちこち覗いてみて、再々演ならではの新発見(大げさ〜)! なんと"Waltzin' Matilda"は、19世紀末にテンターフィールドで結婚し、移り住んだ詩人アンドリュー・バートン(バンジョー)・パターソンによって広く知られるようになった伝承歌で、オーストラリアの非公式国歌とも呼ばれているとか。日照りと洪水、蠅、猛暑などオーストラリアの厳しくも美しい自然に宿るスピリット、そしてその下で懸命に働いた開拓民にまつわる民間の詩や歌をバンジョー・パターソンが書き記し、採譜したその中の一曲が"Waltzin' Matilda"なのです。(昨夜アップしたとき、ボケて曲名を"Tenterfield Saddler"と書いていました
。申し訳ありません)
いろいろなページがありましたが、19世紀末以降の優れたテンターフィールドの馬具職人たちにちなんで衣類その他を製造しているブランド
"Tenterfield Saddler"のサイトの"Saddler's Tales"に上記の話がまとめられていたのでご紹介します。また、トップページ左側の一番下にある"Visit Tenterfield"をクリックするとテンターフィールドの情報がいっぱいのページにたどり着きます。"National Parks"の写真はすごいですよね。そしてなんと、"Where to stay"をクリックすると"Peter Allen Motor Inn"の文字が! 残念ながらリンクされてないんですが、好奇心わきます〜
06年のオーストラリア公演で"Tenterfield Saddler"は復活し、そのことをたずねられた主演のヒュー・ジャックマンは「(唄わないと)僕たちリンチされてしまうよ」と答えていました。この曲をはずすという決断の一方で、"Waltzin' Matilda"はスタッフにとってオーストラリアの心を滑り込ませるようなことだったかもしれません。若いアレン・ブラザーズが遠い東洋の国でファンを開拓するべく唄う"Waltzin' Matilda"、たしかに原曲の基本精神はちゃんと受け継いでいますよね。