『ルドルフ RUDOLF The Last Kiss』のハンガリー版キャスト一覧の「ハンガリー貴族」、トリオのように描かれていますが、原作ではそんな扱いではありません。ハンガリーで世界初演ということで織り込まれたキャラクターかもしれませんね。
Andrássy伯爵は、ハプスブルク家が代々統治してきた帝国の名前に1867年「ハンガリー」をねじ込む(?)ことに貢献し、自治への一歩を創りだした19世紀ハンガリーの代表的政治家なのだそうです。彼の名を冠した大通りは現在のハンガリーでもメインストリートです。ただ、『ルドルフ RUDOLF The Last Kiss』は1888年から89年にかけてなので、年齢的にはその息子世代が登場するのかもしれません。(読み落としているのかもしれないけれど、原作には出てこなかった・・・)
Károlyi伯爵はルドルフの狩猟仲間で、原作でも終盤に登場します。ブダペストの議会でハンガリー軍が出した予備役将校たちにドイツ語の試験を課すという議案に反対し、大論争を巻き起こした、という人物です。自由主義者のルドルフは各民族の宗教や文化は尊重する一方で、言語だけは統一のよりどころとしてドイツ語を、という考えを明らかにしていたそうです。このあたりもターフェ首相とは対立していますよね。それなのにルドルフと親しいKárolyiがドイツ語推進に反対したということは、ルドルフが父帝に背き、ハンガリーの王になるのではないか、という憶測が飛び交ったのだそうです。
第二次世界大戦後の1918年、敗戦国ハンガリーはKárolyi伯爵をリーダーとする新政府をたちあげますが、それが『ルドルフ RUDOLF The Last Kiss』に出てくる伯爵なのかは、資料がなくわかんないです〜
。その一族の人ではあると思いますが・・・。
そしてLónyayですが、この人はマイヤーリンク事件で未亡人となったステファニーとのちに結婚するエレメール・ローニャイ伯爵・・・でしょうか? この人も原作でルドルフと直接からむ人物ではありません。どなたかご存知だったら教えてください〜
日本版ではひょっとして何か変更されるのかもしれませんが、ルドルフは母后のエリザベートのハンガリーびいきのために、ハンガリーの教育を受け、母とはハンガリー語で話していたと言われています。そして当時のハンガリーの権力争いでは、いかに皇太子ルドルフを自分たちの側につけるかということが重要視されていたそうなので、ハンガリー公演ではかなり盛り上がる場面だったんじゃないでしょうか。こんなあやふやな文ですびばせんが、ホント、ハンガリーのことって知らないことばかりです。何がエリザベートをあれほどまでに魅了したのか、知りたいような気がしてきました。