ルドルフ RUDOLF The Last Kiss | platea/プラテア

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青山航士さんと出演作について。『The Musical AIDA〜アイーダ〜』/ ゲキXシネ『五右衛門ロック』出演
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命令次第(イラスト)/ルドルフ RUDOLF The Last Kiss
The Master Of The Strings
『ルドルフ』が幕を下ろしてしばらくたって、時間の経過に反比例するようにじわじわと記憶が鮮明になるのがこのシーンです。先日の新聞に30代の自殺が増えていると報じられていましたが、19世紀末のウィーンも若い自殺者が多く、社会には閉塞感が漂っていたそうです。ターフェ首相に操られる市民を表現した振付、大きなセットがあるため空間としてはそう広くなかったのですが、ダンサーの体の向きが大きく変わるせいか、とても迫力がありました。純粋なダンス公演とエンターテインメントの振付の両方を手掛けておられる上島雪夫さんならではでしょうね〜。この曲がもっと長ければなあ・・・。
 さてこの曲の青山航士さん、アップテンポな曲に閃光を放つようなダンスが魅力的でしたが、ターフェ首相のたぐり寄せる糸が見えるかのように腕と脚をつーっとあげていく、もっとも「静」的なココがオタクの目に焼きつきました。青山さんの命の火が見えるようなダンスが一瞬、マリオネットという空っぽな「モノ」になる、表現の幅の広さを改めて見せてもらいました。
JUGEMテーマ:舞台鑑賞


22:47 | ルドルフ RUDOLF The Last Kiss | comments(0) | trackbacks(0)| - |
父 フランツ・ヨーゼフ/ルドルフ RUDOLF The Last Kiss
 舞台『ルドルフ RUDOLF The Last Kiss』では、家族関係はフランツ・ヨーゼフとルドルフに絞られていましたね。あれだけたくさん登場人物がいるうえ、『エリザベート』という独立した作品があるのですから、もっともな選択というところでしょうか。
 新しい考え方に走るルドルフに、フランツ・ヨーゼフが何故私のように、私の父のようにできないのか(すいません、台詞はうろ覚えですあせあせ)となじる場面がありましたが、実際にはフランツ・ヨーゼフの父フランツ・カール大公は政治の表舞台にでてこない人物です。
 大公が帝位を継ぐというときに、支配欲のない彼を退け、なんと妻であるゾフィーが当時わずか18才の息子フランツ・ヨーゼフに帝位を継がせたのです。彼女は1872年には亡くなっていますが、帝位についた後もフランツ・ヨーゼフは母親には服従的で、彼女が実質的に権力を握っていたといわれています。一方、父大公は1878年の死まで政界にでることはなく、静かな生活を続けました。この父と子がどういう間柄だったのかを語るエピソードが今のところ見つかりませんが、かなり特殊な関係といえるでしょう。
 ルドルフの死を知った直後も、いつもどおり執務を続けたというフランツ・ヨーゼフ。ルドルフの話にまったく耳を貸さなかったのも、彼の人生に「父性」というものが欠落していたことがあるかもしれません。そんな皇帝は一度だけルドルフの棺の前で「父」として泣き崩れ、数十分後にまた「皇帝」としての職務に戻ったといいます。壌晴彦さんのフランツ・ヨーゼフには、68年という長い在位中、娘・弟・息子・妻・甥を亡くし、「父親らしさ」「皇帝らしさ」「人間らしさ」といった「らしさ」の間でバラバラになりながら帝国を背負う個人の悲哀が感じられて圧巻でした。壌さんが一人芝居で『フランツ・ヨーゼフ』なんて演じたら、絶対観にいっちゃうな〜。
00:14 | ルドルフ RUDOLF The Last Kiss | comments(0) | trackbacks(0)| - |
額縁/ルドルフ RUDOLF The Last Kiss
 青山航士さん登場とともに極端に狭くなる私の視界。こんな人間が作品に対して何か言うのっておこがましいけれど、宮本亜門さんの額縁を使った演出は、ミュージカルで心中事件を扱うならこれしかない、というくらいの妙手だったと思います。観る前は、観客と演者の交流で大盛り上がりのフィナーレがつきもののミュージカルで、主人公が命を絶つマイヤーリンクをどう演出するのか、本当に見当もつきませんでした。
 宮本さんが「心中もの」とひとくくりにするのではなく・・・と語っておられたそうですが、どうしても思い浮かぶのは歌舞伎の心中もの。死を選ぶしかない主人公の悲しみが、何百年という歳月をかけて練り上げられた演出で描き出されると、客席には波のようにすすり泣きが拡がります。でも、歌舞伎はドラマが終わるとサササーッと間髪いれずに幕が引かれ灯りがつき、役者の舞台挨拶はおろかお辞儀もないのが普通です。劇空間は唐突に閉じられ、さっきまで涙と鼻水たらして心中した二人に思いっきり感情移入して観ていても、ポンと日常に放り出されてしまうんです。感動を引きずるのではなく自分のなかにサッと引きあげる、そういうのが江戸の粋なのかもしれません。
 『ルドルフ RUDOLF The Last Kiss』も心中のシーンで終わりますが、華やかなカーテンコールに入る前に、まるで、描かれる人にとって永遠の沈黙のすみかである絵画に事件がいったん収められ、かわりに観る人たちの無限の問いかけが始まるような気がしました。ルドルフとマリーが死を選ぶことに対して共感を集めるというのではなく、いまを生きている観客自身が疑問を持ったり、自分だったらと考えてみる、そんな舞台だったような気がします。だからこそ晴れ晴れとした井上芳雄さんと笹本玲奈さんの笑顔にも違和感なく拍手が送られるのでしょう。二人が横たわった額縁は、観客の数だけのさまざまな想いが描きこまれる空間なのかもしれません。
00:38 | ルドルフ RUDOLF The Last Kiss | comments(0) | trackbacks(0)| - |
マリーのワルツ(イラスト)/ルドルフ RUDOLF The Last Kiss
Marys Theme Waltz


 青山航士さんのブログで羽が話題になっていたのでバックにも入れたはいいんですが・・・燕尾服の布地の感じがなかなか出ませんわ〜。でもとりあえずアップ。最近こういうの多いな豚
00:47 | ルドルフ RUDOLF The Last Kiss | comments(0) | trackbacks(0)| - |
道はひとつ(イラスト)/ルドルフ RUDOLF The Last Kiss
 
Finish What Youve Started


 闇に光が走るような跳躍でした。もう一度観たいな〜悲しい
23:15 | ルドルフ RUDOLF The Last Kiss | comments(0) | trackbacks(0)| - |
命令次第/ルドルフ RUDOLF The Last Kiss
 二幕最初のターフェ首相のソロ。ハンガリー版で一連の出来事の「黒幕」的な描かれ方をしていたというターフェ首相、日本版では(ハンガリー版でもそうだったかもしれせんが)冒頭で貧しい市民をさりげなくかばうような台詞がありました。当時の帝国の下層階級の多くは彼が属していたスラヴ系、とくにチェコ民族で占められていたそうです。チェコ語をドイツ語と同等の公用語扱いにした有名な「言語令」は、結果としてチェコの人々の就労の機会を拡大しました。自分の属する民族への想いを、ハンガリーのように革命に走るのではなく、内部から自分の政治力でじわじわと実現していく冷徹な政治家を岡幸二郎さんが貫禄たっぷりに演じておられましたよね。衣装のフロックコートとステッキは、実際にターフェ首相のトレードマークだったそうですが、似合いすぎです〜ぴかぴか
 その首相に操られ、もがき苦しむ人々をアンサンブルの方たちがダンスで表現しましたが、青山航士さん(下手側)の表現力の豊かさには目が釘づけになりました。2002年に『森羅〜Shinla』を観て以来、ずっと青山さんのこうした深い心象表現には魅せられてきましたが、華やかな舞踏会の裏側の、どうしようもないほど切迫した庶民の生活が克明に浮かび上がり、「音楽の都」として人々の憧れを集める一方で自殺者が極めて多った、当時のウィーンという街の病が見えるようでした。バラードが多い中、アップテンポなこの曲、とても印象的です。欲を言えばもう少し長くてもいいのにな〜。いや〜カッコよかった(結局はこれがいいたい)。
00:51 | ルドルフ RUDOLF The Last Kiss | comments(0) | trackbacks(0)| - |
道はひとつ/ルドルフ RUDOLF The Last Kiss
 ハンガリー独立派のアンドラーシ、カーロイらが父・フランツ・ヨーゼフに背いてハンガリー皇帝となることをルドルフに打診するシーンの曲。血の繋がった親子のあいだでクーデターを起こせだなんて、ルドルフって本当に一人の人間扱いされていなかったんだなあ、と思います。しかも彼らを擁護してきたのはルドルフの母でフランツ・ヨーゼフの妻エリザベートだというのに・・・。勿論ハンガリー独立派の思いは真摯なもので、自分たちの国を自分たちの手で、という正論だったとは思いますが、歴史の歯車に巻き込まれ、我と我が身を引き裂かれる人々も数多くいただろうと思います。そしてルドルフはその最たる人物だったかも知れません。
 自分がハンガリー皇帝になることは反逆罪だとはねつけるルドルフと彼らのやりとりの後ろで、ハンガリーの旗を持った青年運動家達のダンスが始まるのですが、これが会話の緊張感と独立へと向かう時代の鼓動を感じさせてくれてとてもよかったです。終盤には、青山航士さんが旗を両手に持ったまま、空に想いを切り込むように、大きく弧を描く跳躍を見せてくれたのですが、もう本当にダンスファンのツボを直撃というかパンチ目に焼きつきました〜。旗を持っていることで初動がとりにくくなるだけでなく、あれだけの大きな布ですから空気の抵抗も相当あるはずなのに・・・。
 そしてなにより技術的なことだけでなく、どんなに苦難があっても、文字通り逆風にさらされても、という若い運動家達の心の叫びが舞台上に蘇るようで、この場面が俄然リアルに感じられました。以前フィギュアスケートの天才・伊藤みどりさんがエキシビションで傘を両手に持ったままダブルアクセルを飛んでいる映像を見たことがありますが、この青山さんの跳躍も、技術に支えられた鮮やかなパフォーマンスとして、私にとって忘れられないものになりました。舞台後方なので座席の角度によっては見難いかも知れませんが、皆さんどうぞお見逃しありませんように〜。
01:13 | ルドルフ RUDOLF The Last Kiss | comments(0) | trackbacks(0)| - |
美しき戦争/ルドルフ RUDOLF The Last Kiss
 第一幕の6曲め、ラリッシュがマリーに男性を誘惑する術を伝授(?)する場面ですが、ここで青山航士さんが演じているのは、着飾った女性客たちに詰め寄られ圧倒されるショップボーイ。このナンバーの青山さんは、カチッとした形のあるダンスではないのですが、コミカルで軽妙な動きでミュージカルならではの楽しみをたっぷり味わわせてくれます。オペラでもコンサートでもダンス公演でも見られない、体全部を使った「演技」によるこんなシーンに、私なんかはミュージカルの魅力を感じるんですけど、皆さんいかがでしょうか。
 以前、映画『雨に唄えば』のドナルド・オコナーの"Mak'em Laugh"みたいなシーンを青山さんがやったら・・・なんて書いたことがありますが、床に座ったまま後ずさりする場面なんかいいですよね〜るんるん何気ないようで「後方に進む」というのは思うようにスピードが出ず、普通にやるとモタモタっとするところなのに、スルスルスルッとアニメみたいなスピード。充分な身体能力があってこその動きだと思います。曲が終わった後も、女性客がちょっかいを出してくるのを思い切り背をそらして対応してますが、かなり後方に倒していて腹筋・背筋強いですよね〜パンチ一瞬『ウエストサイドストーリー』の"I Feel Pretty"を思い出すようなフレーズもあり、とにかく楽しいシーンでした。
 青山さんを見ているとフレッド・アステアやジーン・ケリー、ドナルド・オコナーといった、踊るミュージカルスターの姿がどうしてもダブります。彼らの残したような作品が、あまり日本で追求されていないように感じるのは私だけではないと思うのですが・・・。「青山さんと誰それが似ている」とかいうことではなく、今回のこのシーンを観て、はじけるような肢体で音楽を奏でるパフォーマーがもう日本にいることを改めて確認しました。この『ルドルフ RUDOLF The Last Kiss』という作品、当初思っていたよりはダンスが多かったのですが、女性アンサンブルもパンフレットを見るとかなり踊れそうな方たち。ダンスファンの目には「もったいない」感がどうしても残りますね〜。うう〜む、皆ダンスってもっと見たくないのかな〜バッド
00:56 | ルドルフ RUDOLF The Last Kiss | comments(0) | trackbacks(0)| - |
華麗なる大円舞曲/ルドルフ RUDOLF The Last Kiss
 やっと見ました〜おてんき。今日はもう青山航士さんが旗を持って踊るシーンが観られただけでいい、という感じですので、人様に読んでいただけるようなものは書けません(ま、いつもと変わりないってことでもありますが)。それとターフェ首相のソロのシーンのダンスもカッコいいですよね〜。こういうの踊っているときの青山さんって本当に何度でも見たくなります。ワルツも噂以上のスピードでまるで競技ダンスのようでした。『グランドホテル』、そしてクリスマスワンナイトクルーズ以来の燕尾服姿も背筋のラインがきれいで素敵。まさか日常着にするわけにはいかないけれど似合いますよね〜。
 こんなこと書き始めるといくらでもファンモード全開で書きそうなのでいったん自粛しますと、高見和義さんの照明が最高にきれいでした。スモークとのコンビネーションが絶妙で、自然光のような質感に思わず歌も聴かずに見とれてしまいそうに・・・(ミュージカルファン失格)。いまさらながら高見さんが照明を担当された『SHOW店街組曲』の青山さんのソロダンスをこの目で見たかった・・・と思います。それに松井るみさんの装置はさすがにブロードウェイをうならせただけあってインパクトが強いですよね。補色の関係にある赤と緑を鮮やかに使った舞台、忘れられないものになるでしょう。
 あれもこれもと書きたいことばかりですが、今座っているネットカフェのBGMが偶然にも『華麗なる大円舞曲』です。ワイルドホーンさんの曲に不満があるわけではないけれど、当時のウィーンの街にも流れていたであろうこの華やかなワルツを踊る青山さんが目に浮かぶ・・・。今日は何かいてもオタクですのでこのへんで失礼します〜。
22:47 | ルドルフ RUDOLF The Last Kiss | comments(0) | trackbacks(0)| - |
ハンガリーの旗/ルドルフ RUDOLF The Last Kiss
 ハンガリー/1910
フラッグのダンスシーンってハンガリー独立運動の踊りなんですね〜。確かにハンガリー版ならずともハンガリー王国の独立への大きなうねりは、ルドルフの生きた時代を語るには不可欠なようです。
 オーストリア=ハンガリー二重帝国のことを読んでいて一番「えっ」と思ったのは、当時の帝国に、「オーストリア人」というものは存在せず、人口統計にも計上されていない、ということでした。そういえば「オーストリア語」も方言としてはあるかもしれませんが、一つの言語というわけではありません。
 もともとハプスブルク家といえばドイツの王朝で、世襲していた神聖ローマ帝国の帝位をナポレオンの時代に放棄し、「オーストリア帝国」となったのだそうです。地図は1910年のオーストリア=ハンガリー帝国なのでルドルフの見つめていた地図とは少し違うかもしれませんが、ハンガリー広い〜! 「ハンガリー人」は勿論存在し、彼らは「ハンガリー語」を話しました。そして、ハンガリー以外の部分が「オーストリア帝国」にあたることになりますが、現在は独立している国ばかりで、いかにも寄せ集めっぽいですよね。いまさらながら言語と民族が同じ、ということを手がかりに、この時代のヨーロッパ大陸が激動の時代に入っていたことを痛感します。
 青山航士さんが、公式ブログで(フランツ様、取材ありがとう〜〜〜!!!)ハンガリー独立運動家達の「魂が旗に乗り移るように」と語っておられますが、当時のハンガリーの空を舞う旗と魂は、遠雷のようにヨーロッパ大陸を震わせたに違いありません。
00:19 | ルドルフ RUDOLF The Last Kiss | comments(0) | trackbacks(0)| - |