27日、青山航士さん『The Musical AIDA アイーダ』出演、と書いたとたん、
するほどのアクセスがありました。すごい注目度ですよね〜。話題作の尽きない宝塚でも伝説の名作なそうですが、恐れ入りました。せっかく来ていただいたのに何の情報もないのでは申し訳ないので、いつものごとく付け焼刃でがむばります。
で、原作はヴェルディ作曲のオペラ『アイーダ』なんだけどミュージカルの曲はオリジナル、ということですので、その台本作者を探してみました。名前はアントニオ・ギスランツォーニAntonio Ghislanzoni、1824年生まれのイタリア人です。最初は医学を志したそうですが、美声の持ち主で、いつのまにやらローディ劇場の第一バリトン歌手に。多才な人だったらしく、文才にも恵まれ音楽雑誌を主宰し、行動力も抜群で政治的活動のリーダーでもありました。ヴェルディとの『アイーダ』をはじめとしてオペラ台本は60本以上
残していて、とにかく性格も仕事も勢いのある人だったみたいですね。アイーダの雄大で力強いストーリーも納得です。
さて、そのアイーダ、よく言われるようにスエズ運河の開通を祝って作られたものではないそうです。また、初演は1871年と1872年のニ説がありますが、1871年12月のカイロでの初演時は、政治家や批評家を中心とした招待客ばかりで一般客がおらず、ヴェルディがすごく嫌がって欠席したそうなんです。そして彼自身は1872年2月のイタリア初演であるミラノ、スカラ座での一般客の前での上演を「初演」としたために、今でも両方の年代が記録されているとのことです。なんだか内容も作者も熱い作品〜。そんな作品が「オペラ」の枠におさまらずに、21世紀にエルトン・ジョンのメロディに乗せてブロードウェイで上演されたり、観客が作り上げる熱気にあふれる宝塚で独自の音楽で上演されたのはごく自然なことのように思います。
画像は1880年出版の原作のリブレットの表紙です。パブリック・ドメインだということで、借りてまいりました
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